「Another」

「Another」

いつか……。
それはどのくらい現在と離れた未来だろう。

「Another(上・下)」綾辻行人/角川文庫
表紙の絵柄から、ホラーなのかなと思って読んだら、ジュヴナイル小説だったようだ。
見かけがホラーで中身はジュヴナイル小説というので、なんとなく「六番目の小夜子」(恩田陸)を思い出した。「アナザー」よりは「小夜子」の方が怖かったな。「小夜子」は何も起こらない話だったような気がするけど(うろ覚え)。
「アナザー」は出来事としてはいろいろ怖いことが起こっているのだけど、何しろ主人公の少年の煮え切らない語り口調にイライラしてしまって作品の雰囲気に浸れませんでした(たぶん私が悪い)。こういう、もそもそしたしゃべり方の男の子が主人公のアニメが最近は多い気がする。アニメは見ないから分からないけど。エヴァンゲリオンのせいかな。それとも昔からなのか。
前半で張った伏線を後半でひとつひとつ丁寧に説明してくれるのも、若い読者には親切かもしれないけど、ひねた大人には疲れる。やっぱりジュヴナイルということなんだろうか。スニーカー文庫の、いとうのいぢ先生の絵のほうが中身にあってると思う。
小説の内容を忠実に映像化したらR18になってしまうと思うけど、映画はPG12なのでソフトにしてあるのかな。