「SHAME -シェイム-」

SHAME -シェイム-」を観に行った。今年に観た映画の中では、いちばん泣けました。セックス依存症の男の話がなぜ泣けるのか分からないけど。
公式サイト http://shame.gaga.ne.jp/

夜のニューヨークに流れるグールドのかすかな歌声がなぜか哀しい。今までグールドのピアノを悲しいと感じたことはなかったのに。
ブランドンとマリアンのぎこちないデートも可笑しくて哀しい。2人の会話は絶望的なくらい噛み合わない。マリアンはきっと、他人とまともな関係を築けると信じているのだろう。
ブランドンとシシーはお互いを救うことができず、一緒にいると傷つけあってしまうのに、切り捨てることもできない。二人がいる場所とマリアンのような人々がいる場所は、同じニューヨークなのに遠く隔たっているように見える。「俺達にはおまえの気持ちがよくわかる。でもおまえには俺達の気持ちはわからないんだ。」(『ジュリエットの卵』/吉野朔実)というセリフが思い浮かぶ。『ジュリエットの卵』も兄妹の話だっけ。
希望とも絶望ともとれるラストが心に残る。