夕凪の街 桜の国
わかっているのは「死ねばいい」と
誰かに思われたということ
思われたのに生き延びているということ
『夕凪の街 桜の国』 こうの史代/双葉社
広島・長崎以外の人は原爆についてどのくらい教えられるものなのでしょうか。幼稚園で『おこりじぞう』を読み聞かせられたりはしないのだろうな。
広島で生まれ育ちながら(それゆえに?)、うかつにも被爆二世や三世への差別があるかもしれないなど、想像したこともありませんでした。
被爆二世への健康調査では、被爆の遺伝的影響は統計学的には認められない、とされているようですが。私の親戚にも被爆三世でぜんそく持ちの子がいて、でもぜんそく持ちの子は全国どこにでもいるのだし。
日本中が空襲にあったのだから、原爆のことだけを殊更に言うものでもないかな、とも思うけれど、後遺症や、二世三世のことを考えると、やはりそれは、今もずっと続いている。「このお話はまだ終りません」とあるように。
ところで、漫画でも映画でも説明されていませんが、皆実がワンピースを着ないのは、袖が短いからだ、ということは誰にでも分かります…よね。いや、最初にざっと読んだとき、見逃していたので。