『進撃の巨人 1〜6』

進撃の巨人

そんなの
決まってんだろ
オレが
この世に生まれたからだ

『進撃の巨人 1〜6』諫山 創講談社
陰謀の影が射す第6巻…はおいといて、前のよりちょっと長めの感想。
朝日新聞の読書欄(11年1月30日)では巨人をグローバリズムになぞらえていて、それはちょっと穿ち過ぎなのでは、と思ったのだけれど、比喩としてとらえればいろいろ当てはめることはできる。たとえば善意、とか。
作者へのインタビューでは、育った土地の閉塞感、が挙げられていた(『このマンガがすごい! 2011』‥言葉は少し違いますが)。
私が連想したのは『わたしを離さないで』(カズオ イシグロ)でした。なにか得体の知れないものに包囲され、侵食されていく。逃げ場はない。もちろん『進撃〜』は少年漫画だから、主人公たちは果敢に反撃を試みるのだけれど。
でもバケモノに対してバケモノで対抗するというのは、少年漫画の文脈ではあまりうまくない気がする。最近の『D.Gray-man』も一時そういう展開になってたけど。能力が同等なら、よりためらいのないほうが勝つ。『DEATH NOTE』の月とLのように。
勝つためには何か発想の転換が必要なのでは、と思う。少年漫画はあまり読んでないので思い浮かばないけど。たとえば『寄生獣』は…、運が良かったんでしたっけ?
ところで、6巻のハンジさんのセリフが「快便」に変更されていておかしかった。なんでそんなところを…。本誌はあいかわらず容赦のない展開ですが、リヴァイとミカサのコンビネーションが見られないかなーと期待していたり。